【2018春ドイツ卒業旅行】その13~現役の蒸気機関車が引く列車に乗って吹雪のブロッケン山へ~

前回の記事では、夜のヴェルニゲローデ散策の模様を書きました。

昼間はカラフルな可愛らしい印象の木組みの家々も、夜になると街頭のオレンジ色一色となり幻想的な光景でした。


【2018春ドイツ卒業旅行】その12~魔女が集うおとぎの国ヴェルニゲローデを散策(夜編)~


翌日ヴェルニゲローデから蒸気機関車の引く列車に乗ってブロッケン山を訪れました。

今回はその模様を書きたいと思います。

早朝のヴェルニゲローデ駅から汽車に揺られてブロッケン山へ




朝の8時過ぎ、ハルツ狭軌鉄道のヴェルニゲローデ駅へやってきました。

昨日は走っている列車を眺めるだけでしたが、いよいよ今日は汽車に乗ります。

目的地はハルツ山地のブロッケン山。

ハルツ狭軌鉄道にはいくつか路線があるのですが、その中でもっとも距離が短いブロッケン線に乗ってブロッケン山の頂上を目指します。


ところで今回乗る列車は始発ではなく、2本目のブロッケン山行きの列車。

なぜ始発ではないかというと、始発列車は蒸気機関車ではなくディーゼルカーでの運行になるためです。

そのため2本目のブロッケン山行きが、蒸気機関車に乗る場合は実質始発列車になります。





車内に入りました。

ハルツ狭軌鉄道は名前の通り狭軌鉄道なので客車も小さいです。

座席は簡易的なボックスシートで、大人2人が並んで座ると少々窮屈なサイズです。





列車は定刻の8:55にヴェルニゲローデ駅を出発。

ゆっくりとした蒸気機関車特有の加速と共に客車も動き出します。

ヴェルニゲローデ郊外の住宅街の中をゆっくりとした速度で走っていきます。





窓の下には小さな机が設置されています。

机は木でできでおり、上にはハルツ狭軌鉄道の路線図が描かれています。



列車は市街地を抜けると徐々に山間部へと突入します。




山間部に突入すると、徐々に積雪量が増えてきます。

先程まではのんびりと走っていた汽車も、力強い走りで急斜面を登っていきます。




ヴェルニゲローデ駅から約40分ほどで、途中のDrei Annen Hohne駅に到着です。

この駅はハルツ狭軌鉄道の中心的な駅で、この駅からブロッケン山へ行く路線と、その他の路線に分かれます。

ところでこの駅では停車時間が10分ほどあったので、せっかくなので客車から一度降りて写真を撮ることにしました。




機関車の運転席を覗くと、運転士が窯の様子を確かめていました。

窯の様子は少し石炭を加えるだけでまたたく間に色が変化し、何かただの機械ではなく生き物のようにさえ感じます。

真冬のドイツとはいえ、蒸気機関車の運転席は暖かそうですね。


しばらくすると駅員さんが笛を鳴らし出発の合図。

乗り遅れたら大変なので慌てて客車へ戻りました。




ところでこの鉄道、日本では決して味わえないであろう体験ができます。

それがこの写真。

なんと走行中でも客車の連結部分にあるデッキに出ることができるのです。

そしてデッキからカーブで前を眺めると…




デッキからは写真のように斜面を駆け上がる蒸気機関車を堪能することができるのです。

シュッシュッシュという蒸気の音、山間に響く警笛音。

力強く走る、生きている蒸気機関車を間近に見ることができます。

てっちゃんにとってはこれ以上ない最高の光景です。





急斜面の坂道、山岳路線ならではの急カーブを右へ左へ…

その都度茶髪もデッキの位置を替えて無我夢中でシャッターを切り続けます。



※動画のため通信量に注意してください


少し開けたところでアクションカムでムービーを撮ってみました。

写真と違って臨場感が伝わるかと思います。


ところで、走行中の客車デッキから写真を撮るということは、真冬のドイツ山中のとんでもなく寒い空気を直に受けるわけです。

わずか数分間しか外にいませんでしたが、一気に指先の感覚がなくなります。

あまりに寒いので客車に戻ることにしました。




客車に戻って暖を取っていると、名前もわからない山中の駅に到着しました。

ハルツ狭軌鉄道にはいくつもの小さな駅があり、たまに平行してある山道を歩いている登山客を拾ったり降ろしたりしながら頂上を目指します。


ところでここから先、終点のブロッケン山駅まで撮った写真は上の写真一枚だけです。


なぜかと言いますと…

名前もわからない山道の途中にある駅で、なぜかわかりませんが大量の登山客が乗ってきました。

そして小さな車内はあっという間に満員に。

そして茶髪の座っていたボックスシートにもドイツ人家族が座ってきて囲まれてしまいました。

そうなると身動きも取れません 笑


窮屈な車内でドイツ人の中にポツンと一人だけいる日本人。

すごく興味があったのでしょうね、案の定目の前にいる老夫婦が話しかけてきました。


しかしここで問題が。

老夫婦が喋りかけてきた言葉がドイツ語なのです。

まったく意味のわからない茶髪は「???」って顔をしていると、茶髪の横に座っていたおそらく孫と思われる青年が、英語でドイツ語を訳してくれました。

「Where are you from?」

という茶髪でもわかる英語。ありがたい。

「JAPAN!」と笑みで答えると、そうか日本か!的なリアクションの老夫婦。

おじいちゃんが何か、マウントFUJIがなんちゃらと言っています。

青年が英語に訳してくれたのですが、TOEIC300点以下の茶髪にはその英語もさっぱりわかりません。

ごめん英語もわからないのよ…って青年にジェスチャーで伝えつつ、申し訳ないので、てきとーにおじいちゃんの話に相槌をうっておきました 笑


その後は「ありがとう」や「こんにちは」、「おいしい」などなど…

英語と日本語を交互に言いながら、謎の日本語講座が開催され、その御礼かわかりませんがおばあちゃんからお菓子が渡されました 笑


そんな感じでドイツ人家族と言葉がまったく通じないにもかかわらずしばらく共に過ごしていると、列車内に車掌のアナウンスが。

その後徐々に列車は速度を落とし、一面銀世界のブロッケン山駅へ到着しました。

魔女の本拠地ブロッケン山は吹雪



ドイツ人家族に別れを告げて、荷物をまとめて客車の外へ。

するとそこは、あたり一面真っ白かつ強風吹き荒れるブロッケン山駅。


というか…とんでもなく寒いんですけど!!!


想像してみてください、真冬の-10℃の世界に台風並の強風が吹き荒れている状況を。

間違いなくここに取り残されたら凍死します。


なぜに麓はいい天気だったのに山の頂上は吹雪なのだ…

さすが魔女の本拠地ブロッケン山、人を寄せ付けない何かがありそうです。





ホームに降りて数分。

本来なら歩いて数分の頂上まで行くつもりだったのですが、吹雪で周りは何も見えないし、このまま外にいたら凍死しそうだったので、あきらめて待合室に向かうことにしました。


しかしここで大問題が…

なんとブロッケン山の待合室は次の列車の出発時刻まで開かないらしいのです。

どうやら到着した時刻が早すぎたようで、まだ駅が営業していないのです。




次の列車の出発時刻はちょうど1時間後。

この時の気温は-10℃。

駅舎建物の影に隠れてもまったく風はしのげないので、何か近くに別の建物が無いか探すことにしました。




吹雪で視界0メートルの世界をとりあえず道なりに歩いていくと、一瞬薄っすらとなにか建物が見えました。




近くまで寄っていくと、どうやら何かのレーダーのようです。

ここブロッケン山は、東西ドイツの時代には東ドイツの軍事施設があったらしいのですが、その名残で現在でもレーダー等の設備があるのでしょうね。


そんなことはどーでもよくて、このまま建物に入れないとリアルに死にそうです。

勝手に入っていい施設かなんて考えている余裕もなく、とりあえず入り口の扉を開けて中に入りました。


するとそこにはお姉さんが一人。

茶髪のあまりに寒そうな格好を見てなのか、茶髪の必死の暖を取らせてくれ的なジェスチャーが通じたのかはわかりませんが、少しでいいから休憩させてくれと頼むと許可してくれました。


20分ほど入り口付近で暖を取らせてもらい体力が回復した後、いつまでもいるのも迷惑かと思ったので、思い切って頂上を目指すことにしました。




再び極寒の外の世界へ。

吹雪でどちらを目指しても良いかわからない中、薄っすらと人影が見えるほうへ歩いていきます。




途中謎の人物が描かれている石版や…




凍りついたドイツ語の看板…




吹雪で何か芸術的になった木の棒を横目に歩いていくと…




頂上らしき場所と人だかりを見つけました。

近くに寄ってみると…




やりました!ついにブロッケン山の頂上に到着です!

石版を読むと、ブロッケン山の標高は1142mのようです。

そんなに高い山ではありませんが、ハルツ地方の中では一番高い山です。




頂上付近を散策していると、いくつかの道が頂上に繋がっていることがわかりました。

真っ白な世界に凍りついた看板が立っていると、それだけでなにかおしゃれな写真に見えるから不思議です 笑




こんな天気ですが、麓から頂上を目指す登山客が数多くいるようです。

標高もそんなに高くないので、わりと気軽に登れる山なのかもしれません。

とはいえこの天気ですからね…少し危険な気も…

もしかしたら途中から列車に乗る乗客が増えたのは、頂上に近づくにつれて天気が悪くなってきたからかもしれませんね。


時計を見ると、もう少しで駅舎の待合室が開く時間です。

凍死したくなかったので、急いで駅に向かいます。




ハルツ狭軌鉄道のブロッケン山駅に戻ってきました。

列車の来る10分ほど前に待合室が開放されました。




待ちに待った暖かい空間は、一瞬でカメラのレンズを曇らせました 笑

いやーそれにしても寒かった…

周りの人も茶髪のように待合室に早く入りたかったようで、我先に待合室に入っていきました。




次に乗る列車は、11:36発のヴェルニゲローデ行き。

ちょうど先程の列車から1時間後に出発です。

吹雪のブロッケン山から晴天のヴェルニゲローデへ



出発時刻が近づいてきたのでホームに行くと、真っ白の白銀の世界から突如蒸気機関車が現れました。

なんともファンタジーな演出で、まるで異世界のように感じます。




先程入線してきた列車が折り返しヴェルニゲローデ行きになるのですが、ここで一つ問題が。

現代の車両なら運転席が両側にあるので、運転士が移動するだけでそのまま出発できるのですが、機関車の場合は先頭につなぎ直す必要があります。

そのため、駅に到着後、機関車の付け替え作業が行われます。

せっかくなので茶髪はその様子をヴェルニゲローデ側の1番前のデッキで観察することにしました。




だんだんと迫ってくる蒸気機関車。

連結する瞬間は迫力満点でした。


その後、列車は定刻でブロッケン山駅を出発。

先程登ってきた急斜面を、今度は勢いよく下ります。




出発してしばらく山道を下った後、なぜか列車は駅もない場所で停車。

なにかなーと思っていると、真横を別の機関車が走り抜けていきました。

どうやら離合待ちだったようです。

ただの入れ違いなのですが、蒸気機関車同士というだけでかなりテンションが上ります。


ところで、往路のブロッケン山行きの列車では、蒸気機関車の真横の車両は職員用で走っている蒸気機関車の真横には行くことができませんでした。

しかし復路のヴェルニゲローデ行きは、機関車を繋ぎ変えて往路の最後尾の車両が先頭になるため、蒸気機関車の真横に行くことができるようになります。

てなわけで、早速走行中にデッキに向かいました。




客車のデッキにつながる扉を開けると、そこには轟音を立てながら走る蒸気機関車。

下り坂なので煙を大量に出すことはありませんが、シューっという蒸気の音や、時折鳴らす警笛音を間近で味わえるのは最高です。

広角レンズを持っていったおかげで、臨場感溢れる写真を撮ることができました。




写真を撮った後は、車内でウトウト…

その間列車はブロッケン山から山道を下り、再びDrei Annen Hohne駅に到着しました。

再び離合待ちをするようだったので、列車の外に出て写真を撮ることにしました。




外に出ると後方から警笛の音が。

振り返ると離合する列車がホームへ入線してきました。

目の前で繰り広げられる、蒸気機関車が引く列車同士の入れ違いは圧巻の光景です。






停車中、機関車付近では機関士さんが忙しなく作業をしていました。

黒色の制服と帽子がかっこいいですね。




連結された長い客車と客車が狭いホームを挟んで並ぶ光景。

ホームから少し高いよいしょと登って車内に入るなんてことのないことも特別に感じます。




出発時刻までまだしばらくあったので、客車外でのんびりしていると再び警笛音が。

何かと思って見ていると、なんともう一本列車が入線してきました。

わずか10分程の間に3本の蒸気機関車が止まっている光景は、まるでタイムスリップしたような感覚でした。


写真を撮ったり、機関車の様子を眺めていたりすると駅員さんがそろそろ出発すると合図しています。

慌てて客車へ戻り、出発する光景をデッキから撮影することにしました。


※動画のため通信量に注意してください


Drei Annen Hohne駅を出発する様子をアクションカムで撮影しました。

大量な煙を吐きながらゆっくりと加速シていく様子や、徐々にスピードが出た後、周りで撮影をしている人に警笛を鳴らしながら走っていく姿を間近で見れるのは、鳥肌モノの感動でした。

21世紀の電車が当たり前の世の中で、半世紀以上昔の蒸気機関車が力強く走っている姿はを見て、わざわざドイツまで来たかいがあったなと思いました。




列車に揺られること30分ほどで、終点のヴェルニゲローデ駅へ到着しました。

写真は降車前に客車内を撮った一枚です。

小さな車内ですが、丸屋根のかわいらしい車内です。

木組みの家々が並ぶメルヘンな街には似合っている車両ですね。




ヴェルニゲローデへ到着して列車から降りた後、機関車の付替え作業を見学していました。

普段見ることのない蒸気機関車の付け替え作業は、何度見ても面白いです。


ところで、ヴェルニゲローデ駅に到着して空を見ると青空。

先程までの吹雪は何だったんだろうか…

やはり魔女の本拠地ブロッケン山は恐ろしいですね…


さて、この後は一度宿に戻り少し休憩することにしました。

休憩後は昨日訪れることのできなかったヴェルニゲローデ城へ行きます。

その模様は次回の記事で書きたいと思います。

まとめと次回予告

今回はヴェルニゲローデからハルツ狭軌鉄道に乗ってブロッケン山を目指した際の出来事について書きました。

まずは朝のヴェルニゲローデ駅から念願の蒸気機関車の引く列車に乗ってブロッケン山へ。

列車は最初はヴェルニゲローデ市内の市街地を走っていましたが、徐々に山道へ突入。

山岳鉄道らしい急斜面を蒸気機関車の力強い走りを堪能しながらブロッケン山を目指します。

途中いくつかの駅で停車しながらだんだんと頂上へ。

頂上へ近づくと積雪量も増えて真冬の光景に車窓が変化します。

車内ではドイツ人家族と言葉はまったく通じないけど、会話を楽しむこともできました。

ブロッケン山頂上は麓とは打って変わり吹雪。

とんでもない寒さで凍死を覚悟しましたがなんとか生還しました。

復路では蒸気機関車の真後ろの客車に乗車。

デッキから力強い蒸気機関車の走りを堪能することができました。


さて、次回の記事ではヴェルニゲローデのホテルで休憩した後、山の上にあるヴェルニゲローデ城へ向かった際の出来事について書きます。

正直行くまでは大したことないのかなーと思っていたのですが、実際に行ってみるとまるで絵本の中のようなお城で、中世の貴族の暮らしを想像することができました。

たくさんの写真と共に次回の記事は書きたいと思います。

お楽しみに。


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